高校生のアウトプット日記

高校生の僕が日々考え、感じ、学んだことを記録するブログです。

ハーバード模擬国連でベリーズの大使になった話

皆さんおはようございます・こんにちは・こんばんは!

ヤオユウキです。

  

今日は先日参加してきたハーバード模擬国連、Harvard Model United Nations 2019 (HMUN) での内容や学びを共有しますね!

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もうすでにレポートとしてまとめてあるのでそれを若干編集して転載したいと思います。

 

一応活動レポートなので文末の表現とか正式な感じなんですけどご了承ください。

 

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1.はじめに

 2.模擬国連とは

 3.大会スケジュール

 4.Day 1

 5.Day 2

 6.Day 3

 7.Day 4

8.学び

9.さいごに

 

 

1.はじめに

 先日、2019年1月24日から28日までの間、ハーバード大学が開催する模擬国連、Harvard Model United Nations 2019 (HMUN 2019)に個人枠として参加してきた。このレポートでは、私が実際にこの会議に参加して経験したこと、感じたことなどを紹介していきたい。

 HMUNには全世界から約3500人の代表が集まる。現在の国際問題について議論、交渉、スピーチ、決断などを通じ最終的な目標であるクリエイティブな政策を作り出すことを試みる。ここHMUNは、世界中で行われている模擬国連が発祥した地であり、毎年あらゆる国からのリーダーが参加する大会だ。それゆえ会議では熱い議論が交わされ、代表者の国民性が現れるという点でも真の異文化理解ができる環境が備わっている。ディベート力だけに限らず、様々な文化について第一次の情報を得られることもこの大会の魅力の一つだ。世界に対する視野が一回り広くなって帰ってこれたと感じる。

 

 

2.模擬国連とは

 模擬国連とは、前述したとおり1920年代にアメリカのハーバード大学にて開催された「模擬国際連盟」が起源とされている。高校生や大学生が集まり国連での流れのしくみを理解し実演する大会式会議のことである。現在では世界中にこの活動は普及し、約400の模擬国連会議が開催されているとされる。

 会議では、参加者一人ひとりが事前に担当の国が与えられる。そこで他の国と決められたトピックについて意見を交わす。最終的な目標はそのトピックに関連する法案を提案することだ。トピックも事前に運営側から決められていて、それは自分が応募した委員会と関連づいたお題が出される。なお、意見を交わす際には担当する国の政策に沿った内容に基いて主張することが求められる。よって国の事前リサーチがキーポイントとなってくる。例えば、私が担当したSocial, Cultural, and Humanitarian Committee という約200人からなる委員会では「捕虜」の人権問題を話し合う。その話し合いで、中国を担当した代表者は中国の捕虜に対する残酷な扱いを考慮した上で自分の意見を述べる必要がある。一方で日本の担当者は比較的、刑務者の人権が守られているという事実をもとに主張することが可能である。ちなみに私は Belize という中央アメリカに位置する国を代表した。

 このように模擬国連では、実際に国連の大使になったつもりで外交に不可欠な交渉などを通して法案を通していく。会議ではみなスーツを着用し、発言権を得るにはプラカードを上げて審査員に指名される必要があるなど、プロフェッショナル感あふれる大会が一般的だ。

 

 

3.大会スケジュール

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 大会スケジュールを御覧いただける通り、委員会の中で話し合いをすすめるセッションは計六回と、あまり多くはない。しかしこの大会で重要になってくるのはセッションでの活動だ。この時間でいかに仲間と話を進められるかでチーム内での法案の出来が決まるであろう。また、今大会はセッション以外にも異文化祭や、映画鑑賞会、ダンスパーティなど参加者同士を知り合える場がたくさん工夫されている。そのため様々な人と出会い、刺激をうけることができる。

 

 

4.Day 1

 大会初日は午前9時から参加者の受付が始まり、模擬国連についてルールや内容を運営側から説明を受け、開会式などが行われる。そこである程度大会での流れがつかめたところで午後19:30から最初の委員会セッションが始まる。代表者それぞれが与えられた委員会の部屋へ向かい、そこで初めて4日間ともに過ごす参加者たちと出会う。みな周りの人々に自分の顔と名前、担当国を覚えてもらうため、手当たり次第に他の参加者との交流を始める。このムーブメントからすでに交渉モードに入り、大会内で自分が有利になるよう仲間作りの布石を打ち始めるのだ。私もこの波にのり、とりあえず会う人一人ひとりに自己紹介をし、軽い会話をした。ちなみに、会話内で日本出身だと伝えると必ずと言っていいほど参加者には羨ましいと言われる。どの国も日本に対するイメージがよく、ぜひ日本に訪れてみたいというのである。こんなに褒められる国は正直他にはないと思う。日本人として心から誇りに思えた瞬間である。

 参加者同士の交流も一段落つき委員会内の議長からの挨拶がある。出欠席を取り終わり議長が一言なにかを行った直後、突然参加者がプラカードを持ち上げた。当てられた人が”Motion to open debate”と発言をする。それについて議長が国々に賛成か反対かを聞く。それに対してプラカードで多数決をとりディベートが始まる。模擬国連では発言をするのに、プラカードを挙げる→議長に指名される→発言権を手に入れるという構図で会議が進む。なお、議長に議題を提案する際に必ず言うテンプレートフレーズがいくつかあるので以下を紹介しておきたい。

※興味なかったら飛ばしちゃってください。

 

Point of Order: This point may be raised when you feel that a delegate or the Chair is not abiding by correct parliamentary procedure (as laid out for the conference). A point of order is allowed to interrupt the speaker.

Point of Personal Privilege: This point is used to indicate personal discomforts or impediments to debate. It may be raised during the debate if, for example, you cannot hear the speaker or feel uncomfortably hot or cold. This point is allowed to interrupt a speaker, but may not refer to the content of any speech or working paper.

Point of Inquiry: This point may be raised after a speaker yields to questions. It is used to ask a question of the speaker relating to the speech just given. It may also be used to ask the chair a questions regarding parliamentary procedure during a normal session.

Motion to Open Debate: This is the first motion of the conference and is made to move into formal debate and open the primary speakers list. If there are multiple topics on the agenda, the body will first debate on the order they are to be discussed until there is a motion to set the agenda. All delegates wishing to be added to the speakers list should raise their placards at the request of the chair or send a note to the dais. Speaking time during debate may be limited with a Motion to Limit Debate (see below).

Motion to Set the Agenda: This motion is made with a specific topic mentioned to be debated first and the other second. Two speakers for, two against, and requires a simple majority to pass.

Motion to Adjourn the Session: This motion adjourns the committee sessions for good. It will only be entertained by the chair at the end of the last committee session. This motion requires a second, is not debatable, and needs a simple majority to pass.

Motion to Suspend the Meeting: This motion suspends the body between sessions. This motion requires a second, is not debatable, and needs a simple majority to pass.

Motion to Enter Unmoderated Caucus: This motion temporarily suspends the meeting for a specified amount of time. Use it to create resolutions, talk to other delegates, or anything else you may need to do. It requires a second, is not debatable, and needs a simple majority to pass.

Motion to Enter Moderated Caucus: This motion brings the body into a moderated debate on the issue on the floor for a specified amount of time. The moderating officer will then recognize speakers for a specified amount of time, who cannot yield to anyone but the Chair at the end of their speech. This motion requires a second, is not debatable, and needs a simple majority to pass. This motion may not be made once debate has been closed.

引用先:

https://sites.google.com/site/hismun/guide-to-parliamentary-procedure

 

以上のフレーズは議論の中で必ずといっていいほど使われるので参加を考える者は参考にすることを強く勧める。

 ディベートは、発言者が登壇しみんなの前でトピックについて一分間ほど自分の意見を述べる、スピーチ方式だ。まず発言したい国は自主的に挙手し、Speaker’s List というリストに載る必要がある。周りの参加者は次々と発言権を手に入れ、雄弁なスピーチを繰り広げている。正直圧倒されていた。手を上げるのが怖くて何もできずにただスピーチを聞いているだけの時間が過ぎた。しかし、3つめのトピックで勇気を振り絞ってSpeaker’s List にのることを決意した。着々と迫る私のスピーチの出番。頭が真っ白でなにも決まらないまま200人の前でスピーチを始める。とりあえず前の人達の真似をして “Dear delegates…”と他の参加者に訴える形でスピーチに入ったがなにを言えばいいのかわからず非常に軽薄な内容の発表になってしまった。撃沈し戻ってきた私は次こそはうまく発表するぞと決意するが、二回目もまたもや撃沈。二回とも失敗した原因として、準備不足論理性に欠いていたことが挙げられる。二日目から気づいたことなのだが、スピーチをする際他の代表者は、まず発表内容を一言一句書き下ろすのだ。それをもとに発表をするので考えがまとまっている。また、それにちなんで必要なのが、Writing のスキルだ。短時間でどれだけアカデミックな内容にまとめられるかがカギとなる。

 ここまで繰り返しスピーチをしてきたが、その目的は”Bloc” と呼ばれるチーム決めのためだ。Blocとは、自分の国と同じような政策を持った国と組むチームのことである。最終的な法案もこのチームで決めて通す。そのためスピーチで似た意見を発表した人と組むのが一般的だ。1日目は約20名のBlocを作り、グループの方向性を決めてから夜中の0時に解散となった。

 

 

5.Day 2

 2日目は、ハーバード大学の校内ツアーで一日が始まり、セッション自体は午後14:00からの開始だった。しかしBloc内でやる気のある人たちは既に法案の作成に取り組んでおり、私もツアー後に合流することにした。そこである程度自分の意見を取り入れることができ、中心的なグループに仲間入りすることになる。この日は、前日の失敗を踏まえてスピーチの際には発言内容を全て書き出すことで堂々と発表をすることができた。Working Paper という、チームの途中経過内容をプレゼンする五人にも見事に選ばれ、Blocを代表して前に立つことも任された。しかしここまで約20人のチームでともに頑張って活動してきたが、意見の相違権力の奪い合いが人間味あふれる争いへと発展するのである。例えばインド出身の代表者はこのWorking Paperのプレゼンに出たくて仕方なく、しつこく私達に交代してくれと迫ってくるのだ。そこで柔軟に対応できる交渉力が求められる。またプレゼンの中でもみな議長に自分が主権を握っていることをアピールするためにマイクをできるだけ長い間保持しているなどの些細なことまで売り込んでいた。手段を選ばず自分が賞をもらいに行くというハングリー精神はかなり刺激的なものであった。

 

 

6.Day 3

 HMUNでは法案を通すBlocの数が3チームと決まっている。ということは、今まで活動してきた小さなBlocは他の大きなチームとMerge(合併)をする必要がある。この合併というのは、今まで違う政策を打ち出してきたBlocが力を合わせて交渉を重ねて新たな法案を作り出すためかなりの大作業になる。私達のBlocにも1つ力をあわせたいというチームが接近してきた。朝の7時からカフェで合併について交渉が始まり、その結果、我々のグループのフォーマットをベースで法案を作るという結論に至った。この日のセッションのスピーチでは、それぞれ3つの法案が最終投票でより多くの票を集められるよう魅力をできるだけ発信していく。

 結果的に投票には負けてしまったが夜通し議論し合ったり昼ご飯を一緒に過ごすなど、チームメンバーとはかなり近い関係になることができた。この日で決議案が採択されたため、委員会でも議長含めリラックスした表情でセッションを終えることになった。

 Day 3の夜は、HMUN 2019 参加者をもっと知れる異文化発表会、映画鑑賞、ダンスパーティーなどエンターテイメントが盛りだくさん開催される。異文化発表会では様々な国の学校が御国の文化をダンスや歌などで表していた。私も着物を着て参加すると大勢の人が興味を持ってくれ、写真を撮って欲しいと頼まれることもあった。ダンスパーティーではEDMにのって汗にまみれながら絆を深めていく。アフリカ出身の参加者からは彼らの独特な足のステップも教えてもらい、親しくなることもできた。アカデミックな場だけでなくこのように五感を通して異文化を理解していくことで違った価値観を心から味わえた気がする。

 

 

7.Day 4

 最終日は決議案が通り、議長含めみな攻撃的な雰囲気からだいぶ穏やかにジョークを言える環境になった。議論では島国をすべて沈めて、世界の女性をすべて海の中の刑務所に閉じ込めて、北朝鮮金正恩氏が世界のリーダーに任命されるなどぶっ飛んだ法案を正式な形で提案し、みなふざけていて笑いで溢れたセッションとなった。これをもって Social, Cultural, and Humanitarian Committee は解散した。

 閉会式では各委員会での優秀賞の発表がされ、感極まって泣いてしまう参加者が出るほどこの大会に力を注いでいたというのが伝わってきた。こうして、ここまでともに作業してきた仲間とも別れを告げ、2019年のハーバード大学模擬国連は幕を閉じた。

 

 

8.学び

 世界各国から代表が集まるこの大会は私にとって大きな学びの場であった。短期間に膨大な量の知識を詰め込む事前リサーチや異なるバックグラウンドを持つ多国籍のリーダーと議論をする経験は自分の教養を深められる最高の環境であった。

 普段の生活では文化の違う人種の人と交渉する機会など滅多にない。インド人やベネズエラ人の強気で譲らない態度や、日本人の他人の意見を尊重する心構えなどは、実際に体験してみないと感じることのできない気づきだ。ケニヤ人の代表者とジョークを言い合いながらメキシコ料理を食べることなんて想像すらしていなかった。また、圧倒的な知識量努力を兼ね備えた絶対的リーダーと言わざるをえないような代表者にも出会うことができ、自分の不甲斐なさを感じる一方で大きな刺激になった。

 このHarvard Model United Nations という場では、普段のレベルとはかけ離れた環境に身をおくことで気づかぬ間に何十倍にも成長して帰ってこれる。これこそが真のグローバルの舞台だ。

 

 

9.さいごに

 最後に、参加費から渡航費まですべて負担してくれたお父さん、ボストンまで付き添ってくれたお母さん、全力でサポートをしてくださった学校の先生方には感謝しきれないです。迷惑もたくさんおかけしましたが本当にここまでありがとうございました。

 

2019/02/05

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みなさん最後までありがとうございました!!!!

長かったと思いますが読んでくれてありがとうございます。

 

それでは!ヤオユウキでした〜。

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